ごめんねハイデッガー

ハイデガーが読み勧められないので、他の本を先に読みます

観劇記録02 有末剛緊縛夜話第十六夜 「泡雪屋散楽譚」を見てきました

f:id:just-like-a-rainbow-in-the-dark:20171112003512j:plain

「わたし、ピアノを習っているの。

 発表会にも出るの。

 アナ雪が良かったんだけど、もう他に弾く人がいて、

 でもどうしてもディズニーが良くて、ポニョにしたの。

 可愛いでしょ?」

そうか、と俺は応えた。

頭の悪い女。美しい女。

俺の存在を二時間の間だけ肯定してくれる女。

その女の下腹部に残った縦線に下を這わせる。

女が嗤った様な吐息を漏らした。

いや、吐息の様な笑い声かも知れない。

(「吉原の曇窓から」 温室いく著 民明書房出版)

 

 北条華生と岩崎舞を見に、ザムザ阿佐ヶ谷に行って来ました。

例によって鑑賞後は速度が出てしまう感じでした。

特に今回はうっかりと涙を流しそうになる事もあり、良かったです。

 

有末剛緊縛夜話第十六夜 「泡雪屋散楽譚」 あらすじ

有末剛の緊縛を様々な演出で送る舞台『緊縛夜話』
昨年好評を博した『泡雪屋浪漫譚』の、その後の物語。

第16回目となる今回の作・演出は、北條華生(あんっ♡HappyGirlsCollection)
緊縛師×不幸ハッピーの錬金術師。そこにあるのは、不幸の純粋な結晶の物語。

昔々あるところに、口の利けない娼婦と、気に入らない女とは口を利かない娼婦がおりました。
彼女は彼女に、こう教わるのです。
「いい?下着は3つでいいから良いものを揃えなさい。付くお客様が変わるからね。」
赤、白、黄色。それは曼珠沙華の色とりどり。
しかし彼女は知ってしまうのです
大好きなあの人のことを、大好きな姐さんも同じく心の支えにしていることを…
キャスト総入れ替えで送る物語。曼珠沙華の花が咲く!

「 全てを持っている女の方が欲張りだ。」

 

セックス、ドラッグ、ロッケンロール、買われる女たち

風呂を浴びに行ったら、偶然にも浴室に好みの女がいた。

俺たちは意気投合してセックスをする。

つまり自由恋愛だ。

それがソープランドのシステムだ。

(「吉原の曇窓から」 温室いく著 民明書房出版)

 ツイッターでは水属性や風属性のガールがキモ客を晒している。

一般人もそのキモち悪さに便乗する。

ガール、俺は同情するけど、その行為には賛同できないよ。

 

俺たちは何時間かの間だけ、存在を肯定されに行く。

それでもガール達の記憶はロクでもねぇ男達に塗り替えられて行く。

俺だってその一人かも知れない。

女達は男を憎む。そうして男達は女を憎む。

 

憎悪が泡になって排水溝に流れて行く。

男も女も憎悪にまみれて、ラリっていく。

憎しみはドラッグだ。ハッピーなんて持続力の無い部外医薬品だ。

最高にキまるドラッグだ。憎しみが欲しい。憎しみが足りない。

対立しよう。その何時間か以外はお互いを否定しよう。

 

女達は客に呼ばれると、物憂げに控え室を出ていく。

女達は客に買われ、抱かれていく。

 

デッド、ストーム、サンダー、ボディ、狂った男たち

デリヘルの女を抱いたら買春になる。

まぁランパブだろうと抜きキャバだろうと買えるには買えるらしいが、

リスクに見合ったそれかは知らない。

ソープランドにしても大衆店や中級店はゴム付きだ。

高級店になれば、「自由恋愛」が楽しめる。

(「吉原の曇窓から」 温室いく著 民明書房出版)

 男達はいつも一つ上の要求をする、と女は言った。

 

男たちの欲望に、女たちは蝕間れていく。

それは男たちの憎悪かも知れない。

男たちの憎悪を産んだのは女たちですか?

鳴り止まぬ残響!!憎悪!!憎悪!!憎悪!!

お前の美しさを2時間後にはまた憎むんだ。

 

男は女を壊すのか。男は女を愛しているのか。

女は男を殺すのか。女は男を愛しているのか。

身体も言葉も心も要らない、信じられない。

だってそうでしょう。

信じられるのは女の美しさと男の持つ現金だけ。

愛なんてある訳ないじゃないですか。

それは優しさですか?そんな訳ないでしょう。

アギーレ、神の怒りにも似た春情。

 

第9 喜びの歌が聞こえたんです

少女は全ての濁流にも似た欲望たちを飲み込んで行く。

女たちの「幸福になりたい」と言う願いの為に少女「たち」は死ぬ。

 

僕は世界なんぞ滅んでしまえと思っているんですよ。

憎しみの果てに世界なんて焼き尽くされてしまえばいい。

 

「恋する少女は諸葛孔明」と言う歌が流れる。

いや、これは女たちの希望だったのかも知れない。

そうありたかったと言う願いかも知れない。

喜びの歌にも似た、黄色い閃光が地球を包んでいきます。

女たちの歌は世界に対する鎮魂歌です。

世界が燃え尽きていくのが見えました。

成仏です!!解脱です!!全ての罪からの解放です!!

世界は燃え尽きていきます。

そしてその灰の中から新しい世界が産まれるのです。

それは理想の世界です。美しく、優しい世界です。

 

しかしそれは「孤独」によってのみ為されるはずでした。

理想の世界は他者の願いを内包仕切れずに、世界はまた元の姿に。

いや、彼女の願いは叶ったのでしょうか。

それは彼女の願いが必要だったのでしょうか。

 

女たちは幸せになりましたか。

男たちは幸せですか。

海は幸せですか。山は幸せですか。

風はどうですか。空もそうですか。

 

教えてください

 

劇場に入った時点で女たちの楽屋が見えます。

あぁ、戦闘力の強い女たちだなと思いました。

土曜日の11時回にしても14時回にしてもそう思いました。

14時回は少し慣れたので、まだマシでしたけど。

(いじらないでください、困ってしまいます。)

 

時間に余裕があったので、ぷりんを食べました。美味しかったです。

席は結構埋まっていました。小耳に挟んだ話ではほぼ10割だとか。

さすがです。

 

今回も縄で区切られた部屋です。

願い、と言うものの存在が強く感じられたのは縄につけられた鶴が理由です。

千羽鶴と言うほどではありませんが、鶴がつけられていました。

その数だけ願いがあったのでしょうか。

 

ガールズのマット講習やランパブのハッスルタイムみたいな時間があります。

美しいガールズが下着で躍り狂うのは凄いですね。

お目当ての役者さんを凝視してしまいます。

浮気はありですか?ちょっとだけしました。

お店で本指名外すと女の子に怒られると言う話を聞きました。

どうなんでしょう。

とにかくヌけもしねぇし勃ちすらしねぇですが、眼福でした。

 

非常にどうでもいいですが、下着って立ち入り禁止の看板みたいですよね。

「これより先の立ち入りを禁ず」その先に行く覚悟はおありですか?

手をつないだらその先の茂みに行ってみたいですね。

燃えるような月の輝く丘に。

どうでもいいですね。

僕の気持ち悪さの一因は、ずっと聞いていたB'z稲葉にある気がします。

 

ダメな男たちが女の上を通り過ぎていきます。

ご覧ください、左手に見えますのがホンキョー男。

本番のない風俗で本番行為を迫る男です。

本番とは風俗用語で、陰茎を膣に挿入する行為のことです。

ソープランドでの自由恋愛以外では基本的に法律で禁じられています。

 

ご覧ください、右手に見えますのがクソ駄目ヒモ男です。

女を風俗で働かせて、創作のミューズは他所にいる最低パターンです。

クソですね。

でも俺がああ言うクソでない保障などどこにもない。

いや、ヒトラーの妻であって欲しい気持ちは誰にでもある気がします。

だから俺も解脱しなければならないのです。

全ての不幸を終わらせましょう。

 

最終地点はそこだと思いました。

思考、感覚の転換が迫られています。

つまり解脱しなければならないんです。

 

幸福になりましょう。

幸せになりたいですか?じゃあ僕は魔王になります!