ごめんねハイデッガー

ハイデガーが読み勧められないので、他の本を先に読みます

本を読みました 【若者はなぜモノを買わないのか 堀好伸著/青春出版社】

 職場を去ったガールが置いてった本を読みました。普段はあまりこういう本は読みませんが、仕事が暇だった時に読む物がなかったので拾ったものです。一種の本に対する侮辱ですな。しかも金を払ってねぇでやんの。若者はなぜモノを買わないのか、やかましいわ同情せんでも金をくれ。

 

 何故に若者はモノを買わないのか。ナントカ離れが叫ばれて久しいが、単純に使う金も時間もありゃしねぇ。おまけに売ってるものは全てピント外れだし、何だってそんなものを買わねばならんのだ。別に欲しくねぇものをドヤ顔で出して「買わない若者が悪い」みたいな事を言うんじゃねぇ。

 

 

 

 

 しかし!!!そんな若者が友達といるとモノを買う事が判明!!!!!みんなでスパルタンレースに参加しよう!!ついでにお揃いの靴を買っちゃえ!!友達がいない?じゃあサークルに入ろう!!みんなでグループ消費だ!!ツナガリだ!!!絆だ!!!とまぁそんな調子の話を見たり聞いたりした。

 それは別に良いんだが、じゃあツナガリを作るって言ったって「一生もののツナガリ」「生涯付き合える友達との絆」とか言っちゃうのどうかしてると思うし、別に社会的人脈作り名刺ジャンケン大会みてぇなのでもねぇのが何だかな。出会い系すら真っ当できねぇでやんのな。お前ら、出会い求めてんなら同性で固まってんじゃね……いや、これビジネスになるやんけ!!と言う流れがあるらしい。

  ちなみに入会金がン十万で、更に毎回1万とか払って大衆居酒屋での打ち上げは別料金な。これ、NHK Worldでやってて見てる時は辛い構図でしたよ。

 

 

 

 そんでまぁ本の話をすると、その手前にいる世代の若者はスマホで””体験した気になってしまう””から買わなくなる、と言う事らしい。俺はネットと同時に育った様な世代だってのに、音源は未だに円盤で欲しいし本は電子書籍じゃなくて紙媒体で欲しいと思うようなオールドスクール野郎だから、ちょっとこの本で書かれている層とは違うかも。

 

 そんで最近、企業が広告を打つ時に炎上するのって、そのドラマ性にあるじゃないですか。あれって、「ドラマ性が無いと売れない」って事なんだけどそのドラマ性もどんどんシビアになって、下手を打った奴から燃えて死ぬ仕組みになってんの本当に余裕がねぇなと思う。まぁ俺もムカつく事は多いし、枚挙に暇は無い。

 

 アフィとかが跋扈した所為でネットでのクチコミが繁栄せず、そのままマーケティングから排除されてった若者ってのがいる。それでナントカ離れと言われても、と冷めてしまうよね。当然だ。

 まぁアフィに限らず広告が嫌われるの、なんつーか限界きてるよな。雑誌は読み飛ばせるにしたって、テレビにせよネットにせよ広告がパージされてる。じゃあそのサービスに直接的に金を払わないといけない。それが出来るかな。払う金額が多いターゲットが得をするサービスになる。あ、国じゃん!そっかー。

 

 

 ところで最近、自分がターゲットじゃねぇなと実感したのはマクドナルド。あそこがちょっと前まで大赤字こいてメリケン本隊にも見捨てられるんじゃねぇかって時に、エグチとかミチョパだってのを出した時は「違う、そうじゃない」と思ったけど見事に業績回復したじゃん。すげーよな。

 したり顔で「斜陽産業で涙が出ますねぇ」などとマクドナルドの栄華を思い出しては語っていたのですが、復活ですよ。黒字回復です。ビックリしました。まぁ妖怪時計とかポケット怪獣とか色々コラボした結果であっても、「あぁ半年に一回行くか行かないかの俺たちはマーケティング対象じゃないし、だからエグチだ何だって言ってたんだな」と思いました。



 これは総方向が離れた結果なんだけどね。企業も若者を見ないし、若者も企業を見ない。それじゃあ消費が進みません。見やすいドラマを……で燃える、と。マクドナルドの話は実体験ですが、そんな内容の事が書いてありました。へぇー。

 

 まぁ世代で括るってのも雑だが、事実として生き方も考え方もまるっきり違ってきてる。制作者も販売社も厳しいだろうし、広告を作る側なんてのは本当にアレなので全然わかんないでしょう。

 俺も広告代理店勤務マンは嫌いです。スタッフなんか挨拶する対象じゃねぇし、分かり易く設置してもスタジオでゴミを分別して捨てようなんてコレっぽっちも考えてねぇからな。

 

 しかし俺はルーザーなので大企業や広告屋、テレビを初めとするメディアが死んで行くのを眺めるのは面白いと思うよ。この本は体験だ何だと言うが、それもVRがカバーを始める。じゃあ次は何だね?となる。何も無いんだよ、何も無いんだ。

 俺たちはセブンイレブンの飯を喰い、セックスもしないでロリポップを舐めながらスキップするのさ。ノームコアな服を着て、明日も変わらない夢を見る。

 

 

 いやー、本当にターゲットじゃねぇな俺は。普段着からしてそうだ。

 まぁ何だっていいんだよ、アップサイクルでもドラマでも何でも。どうやって生きるか、がドチャクソ広がってしまった結果なので、もう収集はつかないしかつての様に売れる事はまずもって無い。規模は収縮していくしかない。情報の伝達速度も、流行の仕組みも全く違う。

 

 そう言う意味では、任天堂のミニファミコンとかミニスーファミってのは「かつて欲しかった物を買える様になった大人」を直撃してるので凄いと思う。頑張って欲しい。俺も買う。

 とにかく、使う金をくれない事にはどうにもならんので経団連のオジサン達は地獄の火の中に投げ込まれて欲しいね。世界よ、鰻より早く滅んでくれ。