ごめんねハイデッガー

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映画を見ました【アウトレイジ最終章 北野武監督/ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野】ネタバレあるね

立川シネマシティでアウトレイジ最終章を見てきました。低気圧からですかね?頭が痛いです。雨の所為でしょうか?劇場は会員予約をするまでも無いくらいガラガラでした。おかげで正面や左右を無法者に囲まれずに済みました。

 

 

アウトレイジ最終章は、結論から言うと「ちょっとアレですかね」と言う感想の映画です。

以下、思った事をメモとして書いてきます。

 

3作目は難しい

難しいですよね。僕はダイハードの3作目もターミネーターの3作目も駄作だと思っています。ゴッドファーザーですらそうかも知れません。3作目ってとても難しいんだと思います。それはこの映画でも同じでした。単体で見た場合、かなり微妙だなぁと思います。続き物で、北野武映画のファンで、劇場で見た……と言うところでプラス評価になったかな……?と言う感じです。

 

フラッと立ち寄ろうとした友人にはおすすめしませんでした。

B級映画耐性も無ければ、北野武映画ファンでも無いのなら無理でしょう。

 

小日向文世ブースト

今回、強く実感したのは「ビヨンドの片岡(小日向文世)ブースト凄かったな」と言う事でした。理由はどうあれ、片岡が飛び回り煽りまくり焚き付ける事で、凄まじい勢いで物語が進んで行ったアウトレイジビヨンド」。その前作最後で大友(ビートたけし)に殺されてしまい片岡を失ったアウトレイジ界は、煽りブースト機能を失ってしまい物語の進行速度が著しく低下しました。

 

まぁつまり主人公不在なんですね、今作が。凄まじい動機も執念も妄念も何も無い。焚き付ける警察もいない。繁田(松重豊)が片岡化するのかと言えばそうでは無いし、厭な言い方をすれば惰性で進んで行く。本当に後片付けだな、と言う感じでした。

 

老化現象

世界が老化していってるんです。アウトレイジ世界そのものが。何がヤバいって、中田(塩見三省)がヤバい。別人かと思った、と言うくらいに弱っている。若頭補佐ったって、若頭の西野とそんなに格差あったんだ?と言うのもそうだし、本人の威圧感がかなり薄いのも微妙な気分。

 

ビートたけしも当然ながら老けちまってるし、なんちゅーか、ねぇ?魅力的な奴らは前回で大体死んでるので、マジで飲み会で卓上に残ったツマミみたいな感じになっちゃってるの本当に残念。そう言うのが好きな人もいるし、楽しめる人もいるけど。

 

若さを失ったアウトレイジ界の進行速度は、老人のそれだなと言う気がしました。

 

日韓の話とか

韓国マフィアとか出て来るんだけど、何かその話も良くワカんないんですよね。まぁワカんないからヌルっとした怖さがあると言ってもいいんだけど、それをかなり希釈してしまう花田(ピエール瀧)ののほほんとした感じ。マジに阿呆丸出しで、何をして稼いでいるのかワカんないけど本当にそんなに凄いヤクザなの?!と言う感じです。

 

まぁヤクザ映画に於ける説得力とかwwwって話になっちゃうかも知れないんですが、いちおう組織の大物なのに緊張感が欠如してるってのはどうなんでしょう。そこに加えて迫力を失った塩見三省なので、花菱大丈夫かよ感が凄いです。

 

注目のヴァイオレンス

僕がアウトレイジを好きなのは、「愛の力で蘇生したりしない」とか「神の意思とか言わない」あたりです。ムカつきが少ないのは重要です。無茶苦茶な恋愛要素も無いし。そうは思いませんか?

それに輪をかけて好きなのが、ヤクザ達の「フレッシュ暴力(ヴァイオレンス)」です。

カッターでのエンコ詰め、歯医者、耳に割り箸、首輪ドライブ、顔面野球、ドリルなどなど。ドリル、個人的には北斗の拳に出てきたボルゲを思い出してしまいました。

 

今回は「キャンプしようぜ!」と言う、前回は石原(加勢亮)にやった遊びの続編を魅せてくれました。おぉ、一撃だけど怖いよな……。口内花火も良かったです。死ぬまでの時間ってのは絶対に怖いよな。

 

自殺

ひたすら自殺的であった大友(ビートたけし)が、今回はオーラスで自殺するんですね。ソナチネの時みたいに自殺する真似じゃなくて、マジに死ぬんです。「もう映画を撮らない気なのかな」と言う感じがしました。

 

比較する訳じゃありませんが、何となく「グラントリノ」で神になったイーストウッドを彷彿とさせましたね。そう言うカットはありませんでしたが、死んでホトケになるってのはそう言う暗示があったのかも知れないですね。

 

総括

かなり駄目な映画の部類だと思います。そう作った感じすらあります。よほど好きじゃないと面白く無いんじゃないでしょうか。どうでしょう?