ごめんねハイデッガー

ハイデガーが読み勧められないので、他の本を先に読みます

【午後のロードショー】『猿の惑星』を鑑賞しました

なんか異世界シャワーの話をTLでちらほら見かけましたが、異世界を判断するのが自分が所属する文明であるのは良いとしても、自分たちの文明と比べて劣っているはずだみたいなのは良くないですよね。今日も古い午後ローを見ていきます。

 

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「猿の惑星(The Planet of the Apes)」2001年版。

監督ってティム・バートンだったのか。wki曰く主演のマーク・ウォールバーグは気合いの入った人種差別野郎みたいだな。個人的には地味な俳優だと思ってるが、フィルモグラフィーは立派だね。気づいてないだけで結構見てる顔なんだわ。

 

宇宙船から射出されるポッドの着陸が下手な宇宙飛行士の冒険譚。マジに猿の惑星に着いちゃった、と言う話で時空が捻れて自分がいた時代からだいぶ未来の地点に着いちゃったぜ、と言う話。未来の地球とかじゃないんだよな。エンディングで過去の地球に着いちゃったのは笑ったが、あれはあれで絶望的なエンディング。キチガイ扱いされて一生を終える羽目になる。電磁波嵐怖いわー、とこういう映画のせいできっと将来的に熱い風評被害が出たりするんじゃないだろうか。知らんけど。

 

主人公が不時着したのが、過去(自分が主に存在していた時間軸)でプロジェクトとして飼っていた猿が反旗を翻して人間を攻略せしめ猿たちが自由を獲得して久しい惑星。まぁそこらへんの詳細を、視聴者も主人公も不時着時点では知る由も無いんだけど、まぁだんだんと紐解かれていくわけです。かつて自分より先に、実験(と言うか安全確認)の為に射出されたポッドに乗ってた猿と再開するシーンがあり、惑星をシメてた猿が最敬礼っぽいのをするシーンはヤプーっぽいなーなんて思ったりした。

 

これが人間的に見てヤプーイズムなのかは知らない。まぁ実際に、初期作の映画はそうだったんだろう。イエローに支配される、と言う複雑な感情がなきゃ考えつかねーだろう。当時の情勢の中で見てみたいな。将来的にタイムスリップできるようになったらそう言う映画の味方をしたい。

 

でもそんなことよりも気になるのが、猿が文明を獲得していく過程なんだ。彼らは高度に発達した文明を持つ人間から反旗を翻して独立した訳だ。具体的には筋肉だけで人間を服従させた(と想像させる航海日誌のシーンがある)。

主人公が不時着した時点で猿たちは細かい装飾の鎧を身につけていたが、それからしばらくしても銃などの飛び道具は持たず、肉弾戦を主としている。火は使う。食事シーンだが、火を通したものを食ってた記憶は無い。なんか文明のバランスがチグハグなんだが、やっぱ人間を奴隷として扱って技術を伝授させたのかな。製鉄とか鋳造だけ?そんな乗組員いたのかよ?知識だけでできるもんでも……あぁ、宇宙船でググッタのか。それなら納得だわ。

 

しかし鎧につけたりする細かい装飾と飛び道具って割と近い距離にいる気がするんだけど、そうでも無いのかな。武器の歴史にあまり詳しく無いんだけど、そこんとこはどうなんだろう。単に火薬が無かっただけかな。なんかDrStoneっぽい話になってきたぞ。まぁ火薬の原材料が無いなら仕方ねぇか。あ、硫黄が無かったのかな?知らんけど風呂に入るシーンは無かったな。温泉的なものが存在しないなら飛び道具が出てこないのも納得だ。

 

そして猿の筋力や運動性能に、人類の叡智では勝利することが出来なかった。ちょっと考えてしまいますね。実際にそういうシーンのある映画は多い。気にくわないインテリ野郎(学者とかメカニック、エンジニア)が筋肉にぶっ飛ばされる。結局、人間も動物なんだから筋肉なんだよな。

 

猿は人間たちと一緒にいて、やがて人間たちを憎み、その人間たちを奴隷化するまでは分かる。文明を略奪し、自分たちのものにするのもまぁ分かる。宗教までそうした理由がわからないが、あれってのはやっぱ自然発生するものなんだろうか。どうなんだろう。特にそういう文明に近かったから発生しやすかった、みたいなのはあるんだろうけど。放っておいたら宗教対立すんのかな。

 

実際に、映画内でアメリカの南北戦争みたいな話もしてる。奴隷(人間)の権利、と言うような話だ。しかしその猿の惑星で現代的なルッキズム依存の美形猿ってのは少し笑っちまうな。感情移入の問題だろうけどね。