ごめんねハイデッガー

ハイデガーが読み勧められないので、他の本を先に読みます

【午後のロードショー】『ランオールナイト』を鑑賞しました

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2018年2月9日放送。

ラン・オールナイト(Run All Night)』2015年アメリカ。

リーアム・ニーソン主演。

割と面白い映画でした。軽くも無いけど重くも無いし、ほど良い感じで見られます。

 

あらすじは以下。

 

ニューヨークブルックリン。そこで長年マフィアのボスであり親友のショーンに仕えてきた殺し屋のジミーは、過去に犯した数々の行いに対する罪悪感からアルコールに溺れる毎日を送っていた。そんなジミーの息子であるマイクは、父親を嫌悪してリムジンの運転手をしながら妻子と共に慎ましく生きていた。

ある夜、マイクがリムジン内で客の帰りを持っていると、その客が殺害される現場を目撃してしまう。客を殺害したのは、ショーンの息子ダニーだった。目撃されたことを知ったダニーからなんとか逃げ切り帰宅したマイクのもとにジミーが現れ、「今夜見たことは誰にも話すな」と忠告を受ける。だがしばらくすると、目撃者を始末するために銃を持ったダニーがマイクのもとに現れる。ダニーがマイクに向けて引き金を引こうとしたその時、ジミーの放った弾丸がダニーの命を奪った。

ダニーがジミーによって殺害されたことを知ったショーンは、ジミーとマイクへの報復を決意する。こうしてショーンの部下や警察、そして殺し屋からも追われることになったジミーとマイクは、命がけの逃亡劇を開始する。

-wikipedia

俺はマイク。刺青だらけで高級車のドライバーをやっているボクシングのジム生。黒人の悪ガキに更生がてら指導したりする真面目ボーイ。親父の過去が憎くて仕方ない。そんな親父たちの影に飲まれて運命を翻弄されちゃう俺マイクとダニーはクソ親父たちのせいで人生台無しだぜ。……と言う感じで、流行りのソリッドな色合いとコントラスト強めの映像でお届けする一晩限りと言うタフな親子のハードボイルドムービー。仲良くしろよな。

喪失した父性とその復権(贖罪)、と言うメッセージもチラホラ見え隠れする。マイクの嫁さんが割とヒスっぽいし融通も効かないのは何なのか、ムカつくぜ。まぁ身勝手なクソ親父たちに巻き込まれる息子たちの話に、女がムカつくも何もないんだろうけどね。邪魔くさい設定だな、と言う話です。そうである必要性や理由があれば、そういうキャラクターでも納得する。物分りが良くてもダメだし、バランスの難しい感じの役なのは間違いないんだけどね。

アメリカ全体で父性見たいなものが喪失されつつあるんだろうか。もしかしたら今年や来年、遠くてここ数年内あたりにそういう映画が日本でも出るのかも知れないな。ロールからの解放は、そのままロールへの渇望に繋がるもんな。それはそういうものなのかも知れない。

 

アメリカの家族に対する結束と言うのがわからなくて、親戚筋にいるヤク中のチンピラでも殺したらダメなんですかね。それが一般的な感覚だからそう描かれているのだろうし、やっぱ家族ってのは親戚筋も含めて大切なんだなぁ。別に良くね、社会貢献できないヤク中なんだし……と思ってしまいますね。ヤク中<親戚。これ、本当にわからないな。俺だったら親戚にヤク中いて殺されて死んだら仕方ないと思うし、そいつがまた身内でも「そういうこともあるのでは」と思うよね。実際はどうか知らんけど「何をするだァーッ!ゆるさんッ!」とはならないなぁ。

 

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終盤にヒスっぽかった嫁さんがなんか急に親子の仲をとり持つムーブをするんだけど、お前キャラがブレてんぞ。何があってそうなった。わからないなぁ。息子も割と躊躇いなく引き金を引くんだけど、お前それじゃ親父の説教が意味ねぇじゃんか……。いや格好いいシーンだとは思うんだけど、積み上げたものが、ねぇ?殺してねぇから良いと言うものではない、って言う説教を親父はしてたんでしょう。それはどうなのよ。

 

物語は親父の死を以って終わる。クソ親父はロールを務めて死ぬ。そこに無駄な感傷がないのは良いと思う。悲劇的でもないし、冷たく、淡々としている。親父、よくやったよ。クズだけどな。クズが頑張ったところでクズだし、それは変えようが無い事実なんだよな。手にしていた殺しのリストがそれを物語る。クズはクズなのだ。救いは無い。息子たちは幸せに生きるしか無い。世代の断絶と、その先にある平和(差別の無い世界)も見えるよな。ファミリーってのはそういう事じゃねぇだろ、と。

 

〆コメは特にありません、こちらは以上です。