【本を読みました】ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン(ハヤカワ文庫)
本を読みました。
ハヤカワSF文庫『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』
ピーター・トライアス著、中島尚也 訳、ISBN 9784150120986
10月緊急発売 話題の21世紀版『高い城の男』を 文庫とSFシリーズで同時発売決定!
第二次大戦で日独の枢軸側が勝利し、アメリカ西海岸は日本の統治下にある世界。巨大ロボット兵器「メカ」が闊歩するこの日本合衆国で、情報統制を担当する帝国陸軍検閲局勤務の石村紅功(いしむら・べにこ)大尉は、特別高等警察の槻野昭子(つきの・あきこ)の訪問を受ける。槻野は石村のかつての上官、六浦賀(むつらが)将軍を捜していた。軍事ゲーム開発の第一人者の将軍が消息を絶っているというのだ――21世紀版『高い城の男』の呼び声が高い、話題沸騰の改変歴史SF
と云う本です。今から「高い壁の男」は読みます。順番が前後したけどまぁいいじゃない。出会った順番がこうだったのよ、運命運命。
面白かった。割と最近に出た本なのでネタバレは避けるけれど、とにかく面白かった。著者はジャパニーズ、と言うか人間をよく分かってる。多分、戦争なんてのは誰が勝ってもそうなるんだろう。エロは無いがグロも暴力もあり、死ぬ奴がいっぱいいる。異常性が転がっている。普通になってしまった異常性だ。ドグラマグラを読むと狂うなんて噂を鼻で笑いながらそれを読むかの様な異常性だ。
スピード感もある。リズム感が良い。倦怠の無い速度で飛んでいく。サイバー、SF、アナログ、いいぞ、心地よい世界だ。俺が生きていけるかどうかは知らないが、俺の想像力はその世界を転がることくらいはできる。十分だ。くそったれた世界で転がって死ぬんだ。
表紙の巨大メカは表紙のインパクトほどの存在じゃ無いんだけど、それもまた良いよな。巨大ロボものかと思ったが別にそうじゃなかったな。いや、それで良かったんだ。巨大ロボものでも良かったが、いやはや、これは面白かった。結末も俺好みだった。いいぞ、世界。やるじゃねぇか。こういうものに出逢えるなら、まだ死ぬのは延期しといてやろう。
映像化するなら連ドラにして欲しい。映画化して要素がこぼれ落ちるのが勿体無いし、読み終わった人とちょっと喋りたい。