ごめんねハイデッガー

ハイデガーが読み勧められないので、他の本を先に読みます

【午後のロードショー】『タイムライン』を鑑賞しました

成人式にはロクな思い出が無い。大雪で飛行機が飛ばなくて24時間も空港に閉じ込められたりしたし、そもそも地元の無い俺は成人式に出なかった。それでも、まぁ20歳くらいの奴らが楽しくやってるのを見ると、まぁ悪い気はしねぇよな。頑張れ、この先はクソみてぇな人生かも知れないが下らなかったあの頃に、戻りたい?戻りたく無い。

 

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少し前の午後ロー「タイムライン(TIMELINE)」2003年アメリカ。

1999年に出版された同名の小説を映画化したもの。

 

転送装置で過去にぶっ飛ぶ、と言う話なんだけど方法がいわゆる「どこでもドア理論」なんだよな。一回、細かい情報に分解して転送先で再構築すると言うもの。その際の存在が元々と同一かどうかみたいな話もあるが、まぁ存在論はさて置きそういうシステムで時空を移動する訳だ。これで時間をまたげるのは分からないなぁ。同時代なら、それこそファックス的なものとして理解はできるけどさすがに過去はちょっと無理があるんじゃねぇの。

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って思ったけどよく考えたら、それってレッドホットチリペッパーズなんじゃ無いかと言う気もしてきた。音石明が操るレッドホットチリペッパーズは、ものを電子レベルに分解して再構築できる存在なんだな。そうやって人を騙したり、モノを盗んだりしてきた。世界が歪んでいるのは、そんな音石の罪だ。

 

「チェインギャング」は「英雄に憧れて」の次くらいに好きな曲なんだけど、あんまりブルーハーツの話をできる人がいないから寂しい。ブルーハーツが好きだと言うと、すぐにリンダリンダやTrain-Trainの話が出るしむしろそれ以外の話が出る事なんて無い。ブルーハーツはそうじゃ無いんだ、確かにそれらはキャッチーだし俺もカラオケで歌うけれど、ブルーハーツはそうじゃ無いんだ。もちろん1000のバイオリン(1001でもいい)や、青い空、ラインを越えて、平成のブルース、いい歌はたくさんあるけれど、終わらない歌のように俺のクソっ垂れた青春をどうにか支えてくれた数少ない曲の一つだ。生きる勇気だとか希望だとか、そういうんじゃ無い。ただ俺は、暗い部屋に一条の虹が差し込むのがたまらなく嬉しかった。

 

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人生が素晴らしいと言わない、生きてるのが素晴らしいとも言わない。だから説教臭さが無い。クソ野郎のクソな人生を、まぁクソなりに生きていくんだと感じられる歌だった。女に捨てられ、お前の存在を無かった事にしたいと言われた。どんな好意も一瞬でひっくり返る事を知った。クソな暗い部屋だった。

それからも、俺は今まで大きな失敗を何度もしてきたし、その度に「時間よ止まれ!むしろ巻き戻れ!」と思った訳だが、同然に止まりも戻りもし無い。ただ前に進むだけだった。過去に戻りたいか。別に俺は俺のために戻りたい過去は無いかもしれない。過去の失敗を一つ修正したところで、俺はまた似たようなクソ失敗を繰り返すだろう。だったら別に戻る必要は無い。クソ万馬券に全財産突っ込むのも別に面白いことじゃないだろうな。戻れるならやるけど。

 

 

それよりも真珠湾攻撃を事前に知っていた陰謀論を確かめたり、虐殺の現場や他の歴史的事件の現場を確かめたい気持ちがある。ただ知りたいだけだ。そういうの無いですか、あの時のガールの本当の気持ちとか。知ったら死にそうだな。やめておこう。

俺は一つのタイムライン上を遡り、過去を見て、また同じタイムライン上の未来に戻る。それは運命論だ。俺が過去に遡り、そして未来に戻ることは決まっている。だから俺の過去での行動は未来に影響しない。既にそうすることが決まっているからだ。

パラレルワールド理論であった場合は、俺はどこかの過去に飛び、またどこか別の未来に飛ぶんだろう。どんなルートや選択肢を選んだって、俺があのガールと幸せになる未来は存在していないんだろうな。

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まぁ別にいいんじゃねぇの。そういうもんだろ。過去とか未来とか、今の俺にはあんまり関係がねぇ話だ。それでも、あの時ああ言えばもっと今より幸せだったのか、あの時ああすればもっと今より幸せだったのか。そんな風に思うことはある。別に罪だとは思わないよ。