【本を読みました】死の鳥(ハヤカワ文庫)
ハヤカワ文庫SF「死の鳥」を読んだ。
帯曰く「SFが読みたい!!2017年版がベストSF2016海外編第1位!!」だそうです。あまりSFを読みつけてないんですが、勢いで読んでみました。なんででしょう?馳星周とかエルロイじゃない小説を読みたかったんです。SFなら殺伐としてると思ったんですかね?まぁ結果的には間違って無いと思いますけど。前回の「怪奇礼賛」でそういう学びを得たのですね。頑張りました。
この本も乾燥してたり湿度が高かったりと色々しとる訳で、前回のアンソロと違うのは「怪奇がそこにあるんだよ」と言うよりは「人生は怪奇なんだよ」と言う感じになってきている気がします。日常が怪奇とかってのとはまたちょっと違って、世界とかがもう怪奇なので仕方なく無い?みたいな感じがある。
前半5つくらいは俺のようなSF初心者でも読みやすい感じだが、タイトルにもある「死の鳥」あたりからグッと黒帯っぽさが出てくる。正直、ちょっぴり読むのがしんどかった。翻訳もあるんだろうが、感覚が慣れてねぇのでどうにも疲れっちまう。面白さとは別枠の話なんだけどね。
例によって一個ずつどうであるとか言うのはやめておこう。でも「竜討つものに幻を」なんぞは内側に向かっていく感じでとても好きな感じだったなぁ。「プリティー・マギー・マネーアイズ」もドラッグ感があって良かった。SF、SF、SF。こいつは難しいなぁ、読む側の距離感が難しいぞ。馳星周とかエルロイみたいに、確実にトリップできる作者や作品って訳でもねぇだろうし、まぁ今後も気が向いたら読んでみよう。最後2つも、程よく柔らかい読み応えのある物語になっているので一冊を通して割と読めたので、みなさんにもオススメできる一冊だと思います。